ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団 レビュー
スコアボード
- 中央値
- 75
- 難易度
- 3.08
- レビュー数
- 12
ユーザーレビュー
507人の方が下記のレビューはオススメと投票しています。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
5pt | 5pt | 4pt | 5pt | 5pt | 4pt | 4pt |
95pt
GOOD!
・オリジナリティ
ダンジョンRPGの基本を抑えつつ「最大40人PT」「壁破壊可能」「経験値のキャリーオーバー」など、ありそうでなかったシステムを多数搭載。それでいて煩雑さを感じることなく、自然に覚えていけるバランスが素晴らしい。
ダンジョンRPGという、ある意味で完成されてしまったジャンルに、まだこれだけの豊穣なアイデアを詰め込む余地があったのか、という驚きをこめて5点。
・グラフィック
映像技術的なところでの凄さはあまりないのだが、センスが卓抜していた。
キャラクターそれぞれのデザインも良かったが、特に良かったのがモンスターデザイン。
正直、どのRPGでも似たような敵と戦ってるような感覚になってしまう昨今、雑魚の一体一体にまで強烈なインパクトを感じる本作は格別。後半のボスキャラの禍々しさも素晴らしい。
モンスターデザインにセンスを感じることは10年に一度あるかないかなので5点。
・サウンド
どの曲も神秘的で妖しい魔女の世界を表現できており、曲数も演出での使いドコロも抜群
・ストーリー
登場人物のほぼ全員の性格に難があり、次から次へとエロ・グロ展開が押し寄せるため、大変に人を選ぶ方向性。
「この迷宮は一体何なのか」「主人公の目的はなんなのか?」「過去になにがあったのか?」
こうした複数の謎が無理なく提示され、少しずつ解明していくことによって、先が気になる構成になっている。そして次から次へと驚きの展開が待ち受けており「え、こんなひどい目にあうわけが……」「え、そのキャラ死ぬの!?」「え、こいつの正体って」とまったく退屈させない。
そしてそうしたシーンの数々がインパクト狙いの虚仮威しになっておらず、すべて必要な伏線となっており、終盤における怒涛の回収が凄まじい。
またどのキャラも人間らしい悲しみやダメさを負っており、悪役や脇役までも印象深い。
みんなが幸せになるような大団円ではないが、エンディングや裏エンディングには涙せずにはいられない。
・熱中度
ダンジョンが構造的に簡単すぎず、意地悪すぎず、大変良く出来ている。
宝箱の設置数や内容も適度であり、そのため探索が面白い。
ある程度探索するとちょうどよいタイミングでストーリーが進み、そのストーリーも上記の通りに先が気になるため、探索→ストーリー→探索……のループがどちらにも偏りすぎず両方を熱中させる見事なバランスになっている。
またストーリークリア後も自分の探索によってどんどん世界が広がっていく感じが素晴らしく、裏ダンジョンクリアまで飽きることなく非常に熱中できた。5点
・満足感
システムに驚き、ストーリーに涙し、表クリアまででたっぷり40時間のボリュームなのに、裏ダンジョンは「これで続編作れるだろ」というくらいの豊穣な設定やストーリーが惜しげも無く投与され、名作を2本続けてクリアしたような充足感があった。5点
BAD/REQUEST
・戦闘テンポが悪い
アップデートで良くなったらしいが、それでもテンポが悪い。
いちいちエフェクトが入り、全体攻撃で一体一体にダメージ表示されるため、パーティー人数が多くなる後半はけっこうイライラする。
ダメージの一括表示があれば随分ちがったろうに。
・後半のパーティーの管理が煩雑
前半は普通のRPGなのだが、最大30人以上を管理することになる終盤は頭がこんがらがる。
さらに魂転移(転職のようなもの)によってスキルを残して成長率を上げてレベル1になって別の職業になれるのだが、その際のキャラグラフィックが職業依存なのもよくない。顔が別人になってしまうため「あのキャラどれだっけ?」という感じになってしまう。
しかもキャラグラフィックの数が少ない。いや、一般的には十分な数なのだが、PT人数が多いため転職させてスキルを集めている時に被りまくる。
転職してもグラフィックは初期職で固定、という選択肢も欲しかった。
・大雑把なゲームバランス
魔法使いが序盤から突出した戦力だったり、使える魔法が偏っていたり、戦い方次第で被ダメ・与ダメが跳ね上がったり、ゲームバランスが悪いというより大胆。それでいて簡単すぎたり難しすぎたりしない辺り、狙っているのかもしれないが。
・自力クリアが難しい
ラスボスの倒し方のヒントが少なかったり、裏ボスの倒し方がわかりにくかったり、裏ダンジョンへの行き方がほぼノーヒントだったり、とにかく終盤の謎解き部分の難易度が近年のゲームとしてはおかしいくらいに高い。もっとも、多分これはスタッフの信念でやっていることだと思うが。
COMMENT
ストーリー、システム、ゲームバランスと、良くも悪くもスタッフの個性が出まくっているゲーム。
制作スタッフ的な前作である『魔女と百騎兵』は最高のストーリーのためにいまいちなアクションをやらなくてはいけない感じのゲームだった(リメイク版は未プレイ)が、今作はストーリーもゲーム部分も最高で文句なし。
開発費の高騰に伴い、空気を読んだような無難な作品が増える昨今、「とにかく心に残るゲームを作ってやろう」「自分たちの思う最高のゲームにしよう」という想いがここまで伝わってくるゲームは稀。
確実に人は選ぶが、選ばれた人間にとってはずっと心に残り続ける名作となること間違いなし。
シリーズ化して欲しいというよりは、このスタッフによる新作に期待したい。
きっとまた驚くようなシステムで、尖りまくったゲームを出してくれるんじゃなかろうか。
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バレットガールズ2
GOOD!
あれだけ出荷数が少なかった新規作とは思えないくらい丁寧に作られています。絵、音楽、戦闘、シナリオ、システムが、ちゃんと「ゲーム」として高いレベルでまとまっています。
◆音楽
タイトルからオープニングで十分魅力は伝わるのではないでしょうか。耳に凄く残ります。しかも世界ごとに音楽は変わり、終盤の盛り上がっていく様は素晴らしいです。
◆バランス
最近のRPGに比べると難しめ。しっかりダンジョンRPGしています。最終的に10万を超えるダメージを出せますが、それでも最後まできわどいバランスを保てているのが素晴らしい。
緊張感はありますが、クリアまでは魂移し(転生のようなもの)をしなくても余裕でいけます。クリア後のダンジョンはさすがに魂移ししないと辛いですが、Lvはサクサク上がるので問題ありません。
◆カヴン
購入前に40人PTと聞いていたので「どういうことなの!?」と感じていましたが、プレイしてみるとすんなり入っていけます。
普通のRPGだと3~5人で1PTと言う感じですが、このゲームは5チームで1PTです。戦闘には1チーム最大3人出せます。何人出せるかは結魂書で決まります。また配置場所によって色んな強化が付いています。さらに魔道士キャラでも直接魔法は覚えず、この結魂書で決まります。戦闘に参加しない5x5人はチームで参加している人の能力に+/-されるというイメージ。
戦闘での入力はチーム単位なので5回です。全員攻撃させるショートカットもあります。魔法はチーム単位でしか使えません。コレが結構奥深く、属性をまとめるか分散するか、人数か強化か魔法かと頭を悩ませるのが楽しいです。
◆シナリオ
世界観はまさに西洋の魔女と言う感じで最初からグイグイ引き込まれます。そして何ら関係ないと思っていた色んなものが、すべて伏線として最後に回収されていくのはお見事。おそらく無駄なものは無かったんじゃないでしょうか。転結では、いい意味でプレイヤーを裏切っていきます。エンディングも例外ではありません。
◆クリア後
普通にクリアすると強制的に2周目になるのですが、条件を満たせば続きがあり、そこにもきちんとシナリオがあります。しかもオマケ程度でなく結構なボリューム。魂移ししてないとクリア後のボスは絶望できますが、していてもラスボスは本当に強いです。
ただ、普通にクリアしたときしか見れない絵がありますし、ラスボス直前のセーブがあればそこからでも条件を満たせますので、最初は普通にクリアするのがオススメ。
クリア後のエンディングでは衝撃の事実と、あの人のロリコン疑惑の真偽が明らかに!
◆部位破壊
お互いに部位破壊が存在します。クリティカルを出したときに低確率で起こるのですが、頭を飛ばされると即死。クリティカル率や被クリティカル率、運などのパラメータが重要になってきます。これが独特の緊張感を生み出していて、負けたと思ったボス戦での大逆転にも繋がったり。
ただ、ボスクラスは部位破壊しても「特定技を使わなくなる」「能力が大きくダウン」という感じでもないのは残念(大ダメージは出ます)
◆二つ名
本作は素材を集めるタイプではなく、箱や敵が装備を落とします。二つ名と呼ばれる「○○な+装備名」のような接頭語付きもあり、未鑑定品など結構能力の増減があります。
これで一喜一憂するのがハクスラの楽しみですが、ここにトレードオフが。マナを多く集めるとドロップ率と質が良くなるのですが(突入時は0%)、敵にも二つ名を持つものが出現するようになります。敵の能力アップは洒落にならないくらい強化されるので、弱い全体攻撃を持つザコに攻撃力UPの二つ名が付くと一瞬で全滅も。気が抜けません。
BAD/REQUEST
◆人を選ぶシーン
ダークでエログロ。当然絵は無く文字だけの短いものですが苦手な人はご注意を。結構酷いです。私はこれが本作の味だと思っているのですが、苦手な人は苦手だと思うのでBadに。ぼかして例を挙げますと
ダーク例:子供を理由無く殴る、動物を瀕死にする、突き落とす、助けを求めた人の人生を潰そうとする
エロ例:舐められて…、スカートに手を…、胸ばかり…、人気の無い所で…
グロ例:命乞いも生きたまま食…、足を潰されてからなぶり殺…、目をえぐられ両手足を…、生きたまま手足を千切…、もう殺してと叫ぶが…、嘔吐
すべてフルボイスです。
◆死に覚えゲー
これも私は好きですが、多数の人にはBadになるのではとこちらに。
穴に落ちると1Fで最大HP半分?ダメージ、複数落ちると全滅です。ドアを開けたら床がない!ということも。落ちないと行けない所もあります。
壁破壊を覚えたあたりで適当に壁を壊すと終盤のザコに遭遇します。
最奥でもないのに前触れなくクリア後突入条件のボスが出たり。巨大ペコロに皆さん食べられたんじゃないでしょうか(遭遇したら魚以外大体全滅)
イベントは調べる前に脱出口2つ作ってセーブするのをオススメします。
◆悪女
この主人公に感情移入できる人は居ないんじゃないでしょうか。ディスガイアでは怖いことを言っても結果ギャグになる、みたいな軽さがありますが、本作はそんなものありません。一応、終盤に意味が分かりますが、そこまでずっと「いったい何なの?」という気持ちが続きます。
◆バッドエンド
普通に進めていると、突然バッドエンドが始まりセーブ画面に行くところが複数あります。選択ミス?カルマ貯めすぎ?とか色々考えたのですが回避できず、しょうがないから2周目かなとロードしたら続きが始まりました。何の警告もなく普通にクリアデータのセーブみたいな感じなので混乱しました。何か説明を出して欲しかったです。
◆陣形
カブンの前衛後衛の並び方で魔法が+70%になったり攻撃+20%になったりで重要なのですが、陣形の一覧が戦闘中しか見れません。配置は移動中にするので不便です。
COMMENT
Ver.1.02でプレイ。世界樹やメガテンなど辛口RPG、ダンジョンRPG好きの意見です。
本編クリアまで60時間、隠しボス攻略に10時間、クリア後の攻略に20時間。めちゃくちゃ楽しめました。
かなり話題になり売れたので恐らく続編が作られると思いますが、変に丸くしてしまうとその他大勢のRPGになる危険性があると思います。ぜひ尖ったままで続編を期待します。
このゲームは面白い、本当に面白いですよ!